進路・就職
本学部卒業後の進路については、様々な就職先が開かれているとともに進学を目指すことも推奨されます。
データサイエンティスト、データアナリスト、データエンジニアを養成する本学部の卒業生の就職先としてはほぼ全ての業種が考えられます。製造業、情報通信業、金融・保険業、建設・不動産業、商社、サービス業、医療・福祉業、教育業、公務員などの全ての組織がデータ駆動型マネージメントを必要としている現在、データプロフェッショナルの職種・職域のすそ野は急速に拡大しています。大企業、中堅企業、中小企業、スタートアップ企業、外資企業、公的機関、自治体、政府機関などあらゆる組織にDXが求められており、その担い手であるデータプロフェッショナルの需要は高まる一方です。次に、本学部の卒業後の進路について、具体的な職種・職域を挙げて、その業務内容を説明します。
卒業後の進路
あらゆる組織における意志決定にデータが活用されるデータ駆動型社会においては、データプロフェッショナルの職種・職域のすそ野は広く、本学部の卒業生が活躍する職種・職域は今後ますます拡大することが予想されます。以下に挙げた職種・職域はいずれも中核となる3職種(データアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニア)の派生型職種・職域と捉えることができるため、本学部の卒業生が就職先となる組織において就く可能性が高い職種・職域となります。
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組織(企業・団体・公務など)に蓄積された多様なデータを収集・整理・分析し、組織マネジメントにおける意志決定を支援する専門家です。論理的思考に基づくデータの可視化力と高いコミュニケーション能力を備え、データ活用による組織マネジメントの高度化と戦略立案を支援します。
統計解析やBIツールを活用し、経営層や現場に有益な洞察(インサイト)を分かりやすく可視化し、業務改善や施策効果の検証を行います。例えば、小売企業や金融機関で、売上データや顧客データを分析し、トレンドやパターンを特定して、価格戦略や顧客セグメンテーションを最適化する役割を担います。
経営や事業戦略に必要な財務・市場・顧客データなどを分析し、業務改善や新しいビジネスモデル構築を支援する専門家です。
BIツールを用いて成果を可視化し、経営層の迅速かつ的確な意志決定を支援します。数理的分析と業務理解を統合し、事業収益の最大化とデータドリブン経営の推進に寄与するデータプロフェッショナルです。
企業や組織の情報システムを分析・評価し、業務効率化やシステム統合を提案する専門職で、システム統合や効率化を通じて、生産性向上と経営資源の有効活用を支援する役割を担います。
現行システムの課題を把握し、改善計画を設計・導入します。開発者や利用部門と連携して要件定義から実装支援までを担当し、情報システム全体の最適化を実現します。
市場データや顧客行動を解析し、広告戦略や販促施策の効果を最大化する専門職で、デジタルマーケティングに不可欠な職種です。
購買履歴やWebアクセスデータを活用し、ターゲットセグメントを明確化します。解析結果を基に、広告効果測定やプロモーション改善を提案し、売上向上や顧客満足度向上を支援します。例えば、通信・ネット関連企業などで、顧客データと市場動向を解析して、ターゲット広告やプロモーション活動の計画と実行をサポートします。
保険、年金、金融分野において、確率論や統計学を駆使して将来リスクを数値化・評価し、適切な保険料率や年金制度の設計を行う専門職です。
死亡率や疾病発生率を予測し、保険料算定や制度設計、リスク管理を通じて組織の財務健全性を支え、
高い倫理観と数理的分析力を基盤に、社会保障や金融の持続可能性に寄与します。例えば、生命保険会社では、顧客の年齢、健康状態、職業などのデータを分析し、将来の死亡率や疾病発生率を予測することで、保険商品の価格設定やリスク管理を行います。また、企業年金制度の設計や、金融リスクの評価など、データに基づいた意思決定を支援する仕事です。
金融市場において、高度な数学モデルや統計手法を用いて投資戦略やリスク管理のための数理モデルを開発する専門職です。プログラミングスキルと金融工学の知識を活かし、データを駆使して市場の変動を予測し、投資判断の精度を向上させる仕事です。
例えば、金融・証券企業などで、複雑な数理モデルやアルゴリズムを用いて、リスク管理や資産運用戦略や投資戦略の最適化を行います。
WebサイトやECサイトのアクセスデータを解析し、ユーザー行動を把握して改善提案を行う専門職です。Google Analyticsなどを用いて離脱要因を特定し、UI/UX(User Interface/User Experience)改善や広告効果の最適化を推進します。デジタル戦略全体を可視化し、集客と売上拡大に貢献するデータプロフェッショナルです。
地理情報システム(GIS)を活用して位置情報データを収集・解析し、都市計画や防災、物流最適化に活かす専門職です。人口分布や交通網の分析を通じ、公共政策や事業戦略を支援します。地理空間データを扱う知識を活かし、公共・民間で幅広く活躍する役割を担うデータプロフェッショナルです。
分析結果を分かりやすい物語として伝える専門職です。統計的知見を視覚化やナラティブ手法で表現し、経営層や一般の人々にも直感的に理解できる形に変換して提示します。可視化技術やプレゼン能力を駆使して、データを人々の行動につなげる重要な役割を担うデータプロフェッショナルです。
複雑なデータを視覚的に整理し、直感的に理解できるグラフィックやダッシュボードに変換する専門職です。BIツールや可視化ソフトを活用して複雑な統計や予測結果を分かりやすく提示し、経営層や現場が即座に判断できる環境を整えます。デザイン感覚と分析力を併せ持ち、データを「見える戦略資源」に変換する役割を果たすデータプロフェッショナルです。
社会課題やニュースをデータ分析に基づいて報道する専門職です。公的統計や独自調査のデータを検証し、記事やグラフィックで読者に客観的事実を提示することで透明性と信頼性を重視し、社会的議論を深めるとともに公共的情報リテラシーの向上に寄与します。政治、経済、医療など多様な分野で、市民の理解促進に貢献する役割を担うデータプロフェッショナルです。
医療・健康・介護・福祉機関などにおいて、診療データや身体情報など多様なヘルスケアデータを収集・分析して、疾病予防や治療法の改善、健康増進に役立つ知見の提供と実装を行う専門職です。電子カルテや診療報酬データを活用して疾病予測や経営分析を実施し、病院の収益改善や地域医療の質向上に貢献するなど、医療分野とデータ科学を結ぶ橋渡し的役割を担うデータプロフェッショナルです。
例えば、病院の電子カルテや診療データを活用して、治療の効果を評価し、医療サービスの最適化を図ります。また、病院経営のデータ分析を行い、運営効率の改善に貢献する役割なども担います。
医療機関や研究機関で得られた臨床データや診療記録を統計的に解析し、医療の質向上と経営改善を推進する専門家です。データに基づく意思決定を支援し、治療効果の検証や業務効率化を通じて患者ケアの最適化と医療現場の信頼性向上に寄与するデータプロフェッショナルです。
新薬開発や治療法検証における臨床試験データを解析し、有効性と安全性を評価する専門家です。
製薬会社や研究機関で統計解析やデータ管理を行い、規制当局への報告を支援します。科学的根拠に基づく医療実践を支え、臨床研究の信頼性向上に貢献するデータプロフェッショナルです。
疫学データや人口統計を分析し、公衆衛生の改善や感染症対策の立案を支援する専門家です。
例えば、政府や自治体、国際機関で健康格差や社会的要因を分析して予防政策を提案し、社会的要因が健康に与える影響をデータに基づいて評価し、政策提言を行います。
CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、X線(X-ray)などの医療画像を解析し、診断支援や治療計画の最適化を支援する専門家です。
AI(Artificial Intelligence)やディープラーニング(深層学習)技術を活用して病変検出や画像分類を自動化し、診断精度の向上と医療現場の効率化を支援します。また、画像標準化や統合管理を通じて患者ケアの質向上に貢献し、医療と先端技術の融合を担う重要な役割を果たすデータプロフェッショナルです。
ゲノム解析情報や生命科学データを情報科学的手法で解析し、創薬や疾患予測に貢献する専門家です。
DNAシーケンスデータを解析し、特定の疾患に関連する遺伝子を特定する研究や、生物学的データ解析を通じて病気の原因を探ることで治療を支援します。
生命科学とデータ科学を融合させ、医療・研究分野の発展に寄与するデータプロフェッショナルです。
高度な統計学・機械学習・プログラミング技術を駆使し、膨大かつ多様なデータから新たな知見を導き出して組織(企業・団体・公務など)の意志決定や新規事業創出を支援する専門家です。
既存データの分析に加え、予測モデルやアルゴリズムを構築し、将来動向や潜在的課題を明らかにします。ビジネス、行政、医療、教育、科学研究など多様な分野で求められ、データ活用による課題解決と社会的価値創出を担うデータプロフェッショナルです。
既存の分析手法やモデルを業務課題に適用し、迅速に成果を出す実務重視の専門職です。
マーケティングや製造現場などに予測モデルを導入し、業務効率化や売上拡大に直結するデータ活用を推進します。実装力とビジネス理解を兼ね備え、データ駆動型組織文化の定着を支援する中核的役割を果たすデータプロフェッショナルです。
工知能(AI)モデルを設計・開発し、実際の業務やサービスに実装する専門職です。
画像解析や自然言語処理、音声認識など幅広い分野で応用され、AI基盤構築から運用までを担い、研究成果を社会実装へと導きます。技術革新と業務効率化の両立に寄与する役割を担うデータプロフェッショナルです。
データサイエンス研究開発と実用化を橋渡しする専門職で、新しいアルゴリズムやプロトタイプを開発し、製品やサービスに応用し、研究成果を現場実装に落とし込んで技術革新を加速させる役割を果たします。企業や研究機関で先端技術の検証・展開を担い、産業応用を推進する役割を持ったデータプロフェッショナルです。
新しいデータ分析手法やアルゴリズムを研究・開発する専門職です。
既存手法では対応できない複雑な課題を対象とし、学術研究や先端技術領域に応用します。企業や研究機関で基盤技術を創出し、データサイエンス分野の理論的・技術的発展を支える役割を担うデータプロフェッショナルです。
機械学習アルゴリズムを用いて、データからパターンを抽出し、予測や意思決定を自動化するAIシステムの開発を行う専門家で、モデルの設計・学習・評価・デプロイを担当します。
例えば、金融機関では不正検知システム、Eコマースではレコメンデーションエンジン、製造業では異常検知システムなど、業界・専門領域ごとに異なる機械学習モデルの最適化を行います。また、データサイエンティストやデータエンジニアと協力しながら、大規模なデータセットの処理や、モデルの実装・運用を支える役割も担います。
深層学習(ディープラーニング)技術を用いて、画像認識、自然言語処理、音声認識など高度なAIモデルを構築・最適化する専門職です。
ニューラルネットワークの設計やGPU環境の運用を担い、画像認識や自動運転などに応用し、幅広い産業に貢献します。数理的理解とプログラミング技術を活かし、AI高度化に寄与するデータプロフェッショナルです。
AI技術の基礎研究や新規アルゴリズムの開発を担う専門職です。
強化学習や自然言語処理など最先端分野において研究を推進し、学術論文や特許取得を通じて成果を社会に還元します。企業や研究機関で学術的知見を応用技術に展開し、AI分野の革新を牽引する役割を担っています。
テキスト・画像・音声などを自動生成するAIモデルを開発する専門職です。
大規模言語モデルや生成型ディープラーニングを応用し、クリエイティブ制作や業務効率化を実現します。精度・倫理・安全性を重視し、生成AIの社会実装と責任ある運用を推進する役割を担うデータプロフェッショナルです。
画像や動画を解析し、物体検出・認識・行動解析などを行う専門職です。
自動運転、監視、医療診断など多様な分野で活動し、アルゴリズムの設計と最適化を通じて、視覚情報処理技術の高度化と産業応用の拡大を推進する役割を担うデータプロフェッショナルです。
自然言語処理(NLP)技術を活用し、人間の言葉を理解・生成するAIシステムの開発を行う専門家です。
テキストデータの解析、音声認識、機械翻訳などに関わるアルゴリズムを設計・実装する役割を担います。例えば、AIチャットボットや音声アシスタント(Siri、Googleアシスタントなど)の開発、文書の要約・感情分析を行うシステムの構築、検索エンジンの高度化などを担当します。言語モデルの精度向上のために、大規模データを活用した機械学習・ディープラーニングを駆使することが求められます。
組織(企業・団体・公務など)における膨大なデータを効率的かつ安全に活用できるよう、データ基盤の設計・構築・運用を担う専門職です。
データアナリストやデータサイエンティストが分析に専念できる環境を整備し、統合的でスケーラブルなデータパイプラインを構築します。ETL処理やデータベース管理を通じて、データの整合性・可用性・セキュリティを確保し、組織全体のデータ利活用を支える役割を担うデータプロフェッショナルです。
セキュリティに関連するログやイベントデータを収集・統合・分析し、攻撃の兆候を検出する基盤を構築する専門職で、企業の情報資産をサイバー攻撃や不正アクセスから守る役割を担います。
金融機関やECサイトにおいて、ファイアウォールやIDS/IPSの設定、アクセス制御の最適化を行い、組織全体のセキュリティポリシーを策定・実施します。また、定期的な脆弱性診断やセキュリティ監査を通じて、システムの安全性を維持し、従業員向けのセキュリティ教育も担当します。
実際の攻撃手法を模倣してシステムやネットワークの脆弱性を調査・診断する専門職です。
侵入テストを通じて潜在リスクを特定し、改善策を提案します。Webアプリケーション、クラウド環境、ネットワーク機器など幅広い対象を評価し、企業や組織の情報資産を守るために攻撃視点から防御を強化する倫理的ハッカーであり、セキュリティ向上に貢献します。サイバー攻撃を未然に防ぐための重要な役割を担っているデータプロフェッショナルです。
情報システムやネットワーク全体のセキュリティ設計・実装・運用を担う専門職です。
脆弱性診断やアクセス制御、暗号化技術を駆使して防御体制を整備し、情報資産を保護します。攻撃分析と防御戦略の両立を図り、組織全体のサイバーリスクを軽減する重要な役割を果たし、また、定期的なセキュリティ監査や教育も行い、組織全体の安全性を高めるデータプロフェッショナルです。
セキュリティオペレーションセンター(SOC)に所属して、企業のシステムやネットワークをリアルタイムで監視し、サイバー攻撃や不正アクセスの兆候を検出する専門家です。
例えば、大手企業や政府機関において、 SIEM(Security Information and Event Management)ツールを活用し、異常なトラフィックや不審なログイン試行を監視・分析し、攻撃の可能性がある場合には迅速にインシデント対応を行います。また、攻撃のパターン分析やレポート作成、セキュリティ改善提案を通じて、企業の情報資産を守る役割を担うデータプロフェッショナルです。
データ関連システムを設計・構築・運用し、分析基盤を支える専門職です。
複数システムを連携させ、効率的なデータ流通を実現し、業務や分析の円滑化に貢献します。クラウドやオンプレミス環境を最適化し、信頼性の高いデータ環境を構築するデータプロフェッショナルです。
データ基盤の構築と維持に特化した職業で、組織のデータ管理戦略を設計し、データの構造やフローを最適化する役割を担う専門家です。データモデリングや保存戦略を策定し、データサイエンティストやデータアナリストの活動を支援します。
例えば、大規模なECサイトや金融機関において、データの保存・統合・利用を最適化するためのデータベース設計やデータモデリングを行い、データの信頼性や可用性を確保します。また、データエンジニアと協力して、スケーラブルで効率的なデータ基盤を構築し、データサイエンティストやアナリストが分析しやすい環境を提供する業務を担当します。
ユーザーが直接触れるWebサイトやアプリケーションのUI/UXを設計・実装する専門家です。
HTML、CSS、JavaScriptなどを駆使し、利用者にとって快適で直感的な操作性を実現します。デザイナーやバックエンドエンジニアと連携し、機能性とデザイン性を両立させる重要な役割を果たすデータプロフェッショナルです。
Webサービスやアプリケーションの裏側を支えるサーバーサイド開発を担う専門家です。
API(Application Programming Interface)設計やデータベース連携、処理最適化を通じて安定した動作を実現する役割を担います。ユーザー体験を支える基盤を構築し、セキュリティやスケーラビリティも考慮した堅牢なシステムを構築するデータプロフェッショナルです。
AWS(Amazon Web Services)・Azure(Microsoft Azure)・GCP(Google Cloud Platform)などのクラウド環境を設計・構築・運用する専門家です。
企業のニーズに合わせて柔軟で拡張性の高い基盤を提供し、コスト効率とセキュリティを両立させ、オンプレミス(On-Premises)との統合やクラウド移行を推進して最適なITインフラを構築するデータプロフェッショナルです。
データ収集から分析までの運用プロセスを自動化・最適化し、効率的なデータ活用を実現する専門家です。
DevOps (Development & Operations)の概念をデータ管理に応用し、迅速で信頼性の高いデータ活用を実現し、CI/CDパイプラインや監視体制を整備してデータドリブンな業務を支えるデータプロフェッショナルです。
企業全体のAI基盤を設計し、持続可能で拡張性のあるシステムを構築する専門家です。
AIモデル開発から運用環境整備までを統括し、安全性と効率性を両立させ、戦略的なAI活用を推進して組織の競争力を強化する役割を担うデータプロフェッショナルです
業務アプリケーション全体の設計を統括する専門家です。
複数のシステムやサービスを統合し、効率的で拡張性の高いアプリ環境を構築し、ユーザー要求と技術的制約を調整して最適なアーキテクチャを実現して開発チームを技術面でリードする役割を果たすデータプロフェッショナルです。
企業のITインフラ全体を設計・最適化する専門家です。
サーバー、ネットワーク、ストレージを統合的に管理し、安定性と拡張性を確保します。オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境設計を担い、将来の成長に備えた柔軟な基盤を構築し、経営戦略と技術基盤を結ぶ重要な役割を果たすデータプロフェッショナルです。
また、より専門性を高める学びを希望する者は、大学院修士課程、大学院博士課程への進学を検討することも本学部は推奨しています。
データプロフェッショナルとして独り立ちレベルに育つには、社会人となってその仕事に関する専門領域の深い知識(ドメイン知識)を学ぶことが欠かせません。
本学部を卒業した後は、社会人としての学びを深めるか、より研究面に関心を持って大学院にて学びを深めるか、卒業後も学びは続きます。