大学紹介
九州で不足する「データを取り扱う専門家(データプロフェッショナル)」を養成する大学です。
近年のインターネットの普及、ソーシャルメディアの台頭、IoT デバイスの急増といった情報化社会の進展によって、データは私たちの生活のあらゆる側面に影響を与えるものとなっています。
スマートフォン、SNS、IoT デバイス、医療機器など、日常生活で使用される様々なデバイスやサービスは、毎日ペタ(1015=千兆)バイト単位の膨大なデータを生み出しています。21 世紀において、データは新しい"石油"とも称され、その価値は計り知れません。
このような「ビッグデータ」の時代において、データを適切に収集、解析、解釈し、意味のある情報や知識に変換する能力は、経済、医療、エンターテインメント、公共政策などの多くの分野での重要性が増しており、データを取り扱う専門家(データプロフェッショナル)はあらゆる業界や研究分野において組織の意思決定やイノベーションの中心的な存在となりつつあります。
しかし、このような背景にも関わらず、十分に教育されたデータプロフェッショナルが不足しているというのが我が国の現状であり、経済産業省は「AI/IT 人材が2030 年までに最大約79 万人不足する」との試算を発表するなど、今後の我が国の経済に及ぼす影響が心配されています。
とくに地方においては人材不足が著しく、地域経済の発展、地方創生における大きな課題となっています。九州においてもデータプロフェッショナルを中心とするデジタル人材を育成・確保して、産業の高度化・地域課題の解決・新たなビジネスの創出、などを図って地方の持続的な発展と競争力強化を実現することが極めて重要です。

データプロフェッショナルの学問領域、すなわち「データ専門諸分野; Data Specialties」の学問的特徴は、従来の「文系・理系」という枠組みに収まらない、文理融合的学問であるという点です。社会科学(経済学・経営学・社会学)や人文科学(心理学・哲学・倫理学)などの文系要素が含まれる一方で、数学(統計学・線形代数・解析学)やコンピュータサイエンス(プログラミング・AI・機械学習)など理系要素も含なれる学問領域です。また、「データ専門諸分野」における問題解決へのアプローチは、「社会の実際の課題をデータによって解決すること」であり、文系的手法(人間・社会の理解)と理系的手法(数理モデルやAI技術)の両方を用いて現実の課題に対応する学問です。課題解決のためには「理系的な分析力」だけでなく、「文系的な思考(社会的・倫理的視点)」も必要となる学問分野なのです。そのためデータプロフェッショナルは文系でもなく理系でもない人材なのです。
博多大学は、次のような趣旨をもって、データに関連する幅広い知識とスキルを有する次世代のリーダーやイノベーターとなるデータプロフェッショナルを養成することを目的として設立を構想した大学です。
- データプロフェッショナルに求められる知識とスキルを体系的カリキュラムによって効果的に教授する。
- データプロフェッショナルに必要な専門基礎知識および職種・職域に特徴的なスキルを卒業までに身に付けることにより、就職先の専門領域の業界知識(ドメイン知識)を卒後3〜4年以内に速やかに習得して職場において独り立ち(Associate Data Scientist)レベルのデータプロフェッショナルとして活躍できる候補人材を養成する。
- 優秀な研究者の指導で最新の「データを取り扱う知識と技術」が学べるキャンパスを、九州の学生ができるだけ多く通学できるよう、九州の中心都市に設置する。
- 高い倫理観を持ってデータを取り扱う専門家を養成する。